さまざまな場所で活躍中!社会課題解決にも貢献するシャープのLED照明事業についてご紹介します
Smart Appliances & Solutions事業本部
<シャープのLED照明事業について>
シャープのLED照明事業は、2009年にグリーンフロント堺建設時にLED照明製品を開発したことから始まりました。
グリーンフロント堺では当社のLED照明約10万灯が順次採用されることとなり、一部工場では設計寿命を遥かに超えた14万時間以上に渡り稼働しています。
また、このグリーンフロント堺への導入は「省エネ」と「クリーンルーム内の作業環境向上」などがLED照明の先進活用として評価され、2009年(平成21年)に社団法人照明学会普及部主催の「平成21年度照明普及賞(優秀施設賞)」を受賞しました。

グリーンフロント 堺が照明普及賞(優秀施設賞)を受賞|受賞・表彰
シャープは2009年7月のLED電球の発売を皮切りにLED照明ビジネスに参入。業界初のLEDシーリングライト等を発売しました。現在はBtoBに特化して展開しており、その優れた技術で開発された商品は、コンビニ、鉄道、工場・倉庫、遊戯・スポーツ施設など、さまざまな場所で活躍しています。また、LED照明本体だけではなく、快適な空間づくりをサポートする照明ソリューションを提案しており、中でもLED照明・多機能調光器・監視カメラを組み合わせた「Connected Smart Lighting Solution」は、「2023年度 省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門」において、「物流の2024年問題※1」に取り組む、つながる照明制御ソリューションとして、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。
Connected Smart Lighting Solution

<蛍光灯2027年問題とシャープのLED照明>
皆さんは「蛍光灯2027年問題」という言葉をご存じでしょうか。
2023年10月末、スイスのジュネーブで開催された水俣条約の第5回締約国会議※2で、蛍光灯の製造と輸出入を2027年末までに禁止することが決定されました。
これは蛍光灯に微量の水銀が含まれることに起因するものですが、この禁止によって想定されるのが、蛍光灯の品不足や価格の高騰。照明として多くの場所で使われている蛍光灯の安定供給ができなくなり、混乱を招くリスクがあることから「蛍光灯2027年問題」と呼ばれており、経済産業省や環境省はLED照明への計画的な切り替えを推奨しています。
蛍光灯はその形状や点灯方式からいくつかの種類に分けられますが、オフィスでよく使われているのが直管蛍光灯です。

照明の数が多いオフィスでは、直管蛍光灯からLED照明に切り替える際に高額なコストがかかることが懸念されるため、切り替えが先送りにされがちですが、寿命や消費電力を考えると、より早い段階で切り替える方がコストメリットがあります。また、蛍光灯の生産が終わる2027年末以降は需要増による電気工事の遅延なども予想され、交換したいときにできないという事態も懸念されています。
シャープの直管LEDランプは照明機器交換なしでの使用が可能※3であるため、初期コストの低減に貢献。また、同等の明るさの従来蛍光ランプと比較すると、その消費電力は約32%※4。電気代が抑えられ、経費の削減につながります。
安全面にも配慮されています。発熱を防止するために回路部には多彩な保護機能を搭載。加えて、外部には難燃性樹脂を採用し、発火しにくい設計となっています。また、発熱しやすい電源部に金属を採用することで、万が一の発火時も落下のリスクを低減するほか、電磁ノイズがラジオなどの機器に影響がないようにも配慮されています。
シャープの技術力で作られた高品質な直管LEDランプは、日本照明工業会が制定した「JLMA301※5」という安全規格に準拠しており、より安全にLED照明化を推進することに貢献しています。
シャープのLED照明がさまざまな社会問題解決の一助となり、未来を明るく照らしてくれることを期待しています。

部長の寺沢さん(左)と技師の下間さん(右)
※1 2024年4月以降、長時間労働に陥りがちだったトラックドライバーの時間外労働の上限が年960時間に規制されることにより、物流の停滞や機能低下が懸念された問題のこと。トラックドライバーの労働時間の中には荷待ち時間も含まれており、照明制御による労働環境の改善により荷役作業を効率化することで、この問題の解決に貢献することができます。
※2 この条約は水銀及び水銀化合物の排出から人々の健康と環境を保護することを目的とし、採掘から流通、使用、廃棄に至るまで、水銀のライフサイクルにわたる適正な管理と排出の削減を定めるもので、2013年10月に熊本市・水俣市で開催された外交会議において第1回目の採択が行われました。一部の蛍光灯(電球形蛍光灯・コンパクト形蛍光灯)についてはすでに2025年末で製造と輸出入の禁止が決定しており、この決定で一般照明用のすべての蛍光灯の製造が終了することになります。
※3 配線工事は必要です。また、使用期間が10年を超えた照明機器は交換を推奨します。
※4 計算条件:●年間点灯時間:1日10時間、年間3,000時間点灯●電力料金単価:31円/kWh(税込)[日本照明工業会 ガイドA139-2023]で算出
※5 一般社団法人日本照明工業会(JLMA)が制定したAC直結G13口金直管LED光源の安全規格のこと。従来の蛍光灯器具にLED光源を導入する際、絶縁耐力・耐トラッキング性・温度上昇などの電気的な安全性、落下防止・口金の強度などの機械的な安全性、人体への影響を評価する光生物学的安全性、電磁両立性などのその他安全性を確保することを目的に制定されました。