【活動レポート】ホームレスサッカー日本代表、2年連続でワールドカップ出場!オスロ大会に帯同しました(前編)

こんにちは、戦略投資部の佐竹です。
昨年に引き続き、今年も「ホームレスワールドカップ」の活動レポートをお届けします。
今回も大会に関する概要や、今年新たに取り組んだ「クラウドファンディング」、大会中に感じた異国との認識の「差」について、前編と後編に分けてお届けします。どうぞご覧ください。
今年は、 8月23日から8月30日までノルウェー・オスロの市庁舎前(Rådhusplassen)で開催され、日本代表チームのチームマネージャー兼アシスタントコーチとして帯同しました。
大会主旨および昨年度の韓国・ソウル大会の様子についてはこちら!
各報道機関からの取材が殺到し、特にテレビ東京の「FOOT BRAIN」では長期にわたるドキュメンタリー取材を放送していただき、大きな反響を呼びました。


昨年度に定義した日本にとってのホームレス状態(※「屋根がない人(Roofless)」に限らず「屋根があっても不安定な居住にある人」)にある路上生活者や生活困窮者、若者支援団体に加えて、依存症からの回復施設を運営する団体からの推薦があった他、先般の事情で、帰りたくても帰れない“Home-Country”(ホーム-カントリー)を失った日本在住のウクライナからの避難民も選手として選出しました。

佐竹も飛び入り参加。
(右側4名がウクライナ国籍。右から1人目が元ウクライナ代表、2人目が現リトアニア代表、3-4人目が現日本代表)
昨年以上にサッカー経験が豊富な実力者が揃った日本代表。結果は下記です↓



1次リーグでは1勝3敗の4位、2次リーグでは2勝1敗の2位、Tier 4トーナメントでは6位で終え、40ヶ国中30位で本大会全日程を完遂することが出来ました。かつて「1勝すら出来ない」と言われ続けた日本代表は、多様な背景を抱えながらも、チームで対話を重ね続けながら、1戦1戦、目の前の試合に取り組み続けた結果、昨年以上の成績を収めることが出来ました。
【大会前】大会に臨むにあたり ~クラウドファンディングの成功と振り返り~
昨年はお隣の韓国開催だったことや、住宅・不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S」などの企画・運営を手掛ける株式会社LIFULL様からのスポンサードもあり、大きな出費とはなりませんでしたが、今回は日本からの渡航に於いて約20時間を有する北欧ノルウェーということもあり、渡航費だけでも大きな出費となってしまいました。また、LIFULL様からも2年連続でのスポンサードが叶わず、大会活動費を抜本的に工面する必要性が出てきました。
有識者との協議の結果、今回「クラウドファンディング」(以下クラファン)を実施する運びとなり、実績豊富なクラファンサイトを運営するREADYFOR(レディーフォー)様のご協力の元、「最小限のメンバーだけでも大会出場に向けて準備しよう」と心掛けた結果、最小構成の選手8名+コアスタッフ2名の計10名の渡航費となる第1目標の350万円を無事達成し、次いでサポートスタッフ4名分の帯同費を含めた第2目標の550万円、最後は国内活動費を含めた1,000万円まで、総額10,381,000円のご支援を募ることに成功しました。

皆さまご存知のように、クラファンとは、「インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める仕組み」を指します。今日において、多様な用途でクラファンに取り組まれている方々も多く、資金調達手法の1つとして広く利活用されています。特に、NPO等の民間非営利団体が活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為を総称して「ファンドレイジング」と呼ぶことがあります。クラファンやファインドレイジング、どちらもシンプルに言えば「お金を集めること」に変わりはありませんが、単なる資金調達にとどまらず、ご支援を通じて、支援先が取り組む社会的な課題を広く人々へ周知し、理解や行動に繋げることも大切な目的となっています。このようなプロセスに於いては、「社会課題解決のための仲間を募る」という視点に着目し、ファンドレイジング(Fundraising)=フレンドレイジング(“Friend”raising)と呼ぶこともしばしばあります。
まさにこの言葉通り、実際のクラファンでは、多くの友人・知人へ声掛けを行いました。第3目標まで達成するためには、個人向けの小口寄付では期限までに到底達成できないだろうということで、法人向けの大口支援プランも準備し、さながらB2C向け・B2B向けのビジネスプランを考えるような発想で取り組みました。ここで少し反省したのが「支援金額の設定」でした。最小額3,000円で、その次に10,000円と設定したことで、「5,000円だったら頑張れば支援できる」という潜在層が、止む無く3,000円しか選択できない状況を作ってしまい、3,000円のリターンが乏しいので支援を諦めてしまうようなケースも散見されました。今回の1,000万円達成に於いては、法人向けの大口支援も功を奏しましたが、もし「支援金額の設定」を適正化出来れば、個人向け支援者層の割合も一定数増加が見込めたのではないかと振り返っています。
前半はここまで。後半ではついに大会中のエピソードや驚きの展開についてご紹介します。ぜひ後半もご覧ください。