「第35回ファインテックジャパン」にて講演を実施

11月12日(水)から14日(金)まで、幕張メッセ(千葉県千葉市)で日本最大級の電子ディスプレイ産業展「第35回ファインテックジャパン」が開催され、展示会初日(12日)に、シャープディスプレイテクノロジー株式会社※1 パネルセミコン研究所 次世代技術開発統轄部 統轄部長の箕浦さんが、「脱炭素社会を切り拓くシャープのディスプレイ開発」と題する講演を行いました。
講演には100名以上の聴講者が集まるなど盛況でした。講演終了後も、講演したディスプレイ技術やその応用について、メディアからの取材要望や多くの質問、コメントをいただきました。
※1 パネルセミコン研究所は11月16日付でシャープ株式会社傘下からシャープディスプレイテクノロジー株式会社傘下に組織変更。
◇箕浦さんの講演内容

■ タイトル:「脱炭素社会を切り拓くシャープのディスプレイ開発」
■ 概要:シャープのディスプレイ技術として、LCD(低消費電力技術 / 低反射技術)、XR (VR/AR)、電子ペーパーの3点について発表しました。
LCD:
LCDの低消費電力化へのポテンシャルはまだまだあり、以下の『低消費電力技術』に加え、ディスプレイの反射を抑制する『低反射LCD技術※2』の二つの独自技術で、圧倒的な低消費電力を実現し、脱炭素社会に貢献していくことを説明。
『低消費電力技術』
・「液晶モード技術」:透過率の向上と駆動電圧の低減を両立し、電力削減に貢献
・「IGZO 1Hz駆動」:フリッカ発生を抑えた低周波駆動を実現し、システム電力の削減に貢献
・「マルチリフレッシュレート」:利用シーンに応じて周波数を変え、電力をマネジメント
・「高効率バックライト」:独自の精密複合プリズムを持つ導光板で光をコントロールし、LCDを高輝度化/低電力化
※2 外光の反射を抑えると、画面輝度を下げても(=バックライト電力減)視認性が確保でき、低消費電力化に有利。
XR:
2025年10月発表のVRグラスの「Xrostella VR1」では最新の光学系を採用しており、2枚のパンケーキレンズ間に平面のハーフミラーを配置し、2枚のレンズを通る光が線対称に重なるよう設計することで、光利用効率を1.8倍の約42%にまで高めていることを説明。
また、AR向けについては、薄型軽量、高効率、低コストのメリットがある、PVH(Polarization Volume Hologram)導光板方式の技術開発を進めていることを紹介。
電子ペーパー:
E Inkの技術とシャープのIGZO技術を融合し、開発した電子ペーパーの特長を説明。
<特長>
1.ドット感のない高精細画質
2.全面表示を可能にする狭額縁パネル
3.画面書換ストレスを軽減する駆動技術

