【シャープ横断♪バトンリレー】第32走者◆10台売ってやる!からの惨敗で人情を知った若手時代
「楽しみにしてるよ。」
数日前に、同期から連絡がきました。
あれ何か仕事あったっけ?
「はて?何のこと?」と返信してみたら、
「バトンリレーやで!もう次の人ってことで公開されてるで」
「えっ!」
記憶をたどってみたところ、そういえば少し前に依頼をされて、あはは!とか言いながら話をしたことを思い出しました。
恐る恐るイントラを覗いてみたところ、確かにありました、私の名前が笑。
「どうしよう。何書いたらええんや。おもしろいことなんか書く自信ないで。」
焦る心の中で、ふと思いました。
せっかく今回の様に頂いたバトン。回してもらえること自体、本当にありがたい事だし、なかなかない機会。
自分を振り返る意味でも書いてみよう!
………心が決まりました。
ということで前置きが長くなりましたが、橋詰さんからバトンがまわってきました、SMJ戦略推進担当 兼 HS戦略企画部の松村です。よろしくお願い致します。
簡単に自己紹介させていただきます。
入社は2008年。因みに、私が入社した年は、同期が約700人。そのうちSEMC配属メンバーだけでも50人弱と非常に同期が多い年でした。ドキドキしながら入社式・新入社員研修をおこなったことを昨日のことのように覚えております。
最初の配属はSMJ-HSの前身SEMCの中部ATOM推進部に配属となり、名古屋の地で私のシャープ人生が始まりました。(今はもうありませんが、会社に程近い寮で生活がスタート。深夜の寮のお風呂で同期と泳いで管理部長に怒られたり、直属の上司の部屋で焼酎を飲みながら仕事の愚痴を聞いてもらったり、色々ありましたが、楽しい寮生活でした)
そんな名古屋で業務をスタートしましたが、仕事については厳しい上司の指導のもと、毎日叱咤激励を受けながら業務をしておりました。ATOM推進部での業務は、営業とともにご販売店様の売上増、当社の売上増、また立ち位置を上げていく活動を行っています。私自身は、
・“重点商品の売り方開発・波及”のサイクルを回し、成功パターンの創出
(仮設を立て→実売推進を通じ、仮説の検証→成功パターンの創出・波及→さらに成果に繋げるにはどうしたらいいか仮設立案)
・販路拡大を狙いとした、取引先への“実践研修”の運営・キャンペーン推進の運営
を主なミッションとして行っていました。
入社してしばらくは、広域チャネル(量販)・地域チャネル(一般電気店・法人)の両方を経験させるという上司の方針もあり、両チャネルでの推進を行っていましたが、1年目の終わりには地域チャネルを担当する指示を受け、まずは一般電気店の業務を体感しなさいとのことで、岐阜にあるSVPG店様に3か月ほど毎日通い、一般電気店でどんな事をしているかを肌身で感じながら過ごす期間がありました。
(アンテナ工事、エアコン工事、配達、イベントのチラシ配りなどを、傍で体感したり実際にやったりと、どろどろになりながらやりました)

そんな、電気店様での推進も残り数日となったある日、電気店の社長(現会長)から、
「松村君、そろそろ1人で1日訪販※でもやってみるか。」
と言われて商圏内の地図を手渡されました。それまで訪販らしい訪販というものはしたことがなかったこともあり、生まれて初めての訪販を1人でやることになったのですが、当時の私は不思議と自信に溢れており、当時発売したばかりのイオン発生機、<IG-A100>を肩にかけ、地図を片手に鼻息荒く出かけました。
※訪問販売

高濃度25000の商品でした
「最低10台売ってやる!」確かそんなことを考えながら、出発したような気がします。
結果、、、、惨敗でした。。。
おそらく、30~40件のお客様の家を訪問したと思います。ただ、
・チャイムを鳴らしても、そもそも家に上がれない
・家に上がらせていただいても、商品の説明を聞いてもらえない
・(漫画みたいに)犬に吠えられて、玄関までたどり着けない
等々。。
朝出発した際の威勢の良さはどこへやら。夕方になっても1台も売れず、焦りしかない状態となりました。
そして最後の1件、、、
「このままでは帰れない。何とか1台売って店に帰る!」
必死に商品の説明をして、ようやく1台買っていただきました。本気で涙が出るほどうれしかったことを今でも覚えております。
ただ、威勢よく出発したものの、結果は1台のみ。。店にとぼとぼ帰り、社長に「どうだった?売れたか?」と聞かれた時に思わず、
「売れるわけないじゃないですか!初めての訪販で!」
と半べそかきながら社長に言ってしまいました。その時、「はっ!」と思いました。
自分は今日たった1日だけ、訪販して成果が出なかっただけ。
社長は自分でお店を立ち上げられて、お客様が一人もいない中で今まで何十年も地域に根差した取り組みをずっと続けられ、”上お得意様”もいらっしゃって、今こうやって商売を続けられている。
今日の自分なんかよりもっと厳しい環境で取り組まれていたはずなのに。その社長に対して、自分はなんて事を言ってしまったんだ、と。
その時反省と共に、自身の不甲斐なさに恥ずかしさでいっぱいになったことを覚えています。
商売の大変さ、また“お客様を作る・定着させる”ことの難しさ をこの時痛感しました。
この時の経験は今の自分の中で非常に大きなものとして残っています。
あと、1台売れたイオン発生機ですが、社長が事前に「若いシャープの新人さんが訪問してるから」ということで、そのお客様に連絡されていたようです。
社長のやさしさにただただ恐縮するしかなかったです。


その後、ATOM推進部の中で、西田辺(本社)→名古屋→八尾と、少しずつ業務の内容は変わりつつ、現場と本社を行ったり来たりしていましたが、2019年、初めてATOMから営業推進部へと異動になりました。
営業推進部は、HS社内の地域チャネルの窓口を担っている部署になります。その中で私のミッションは、一般電気店の販促の窓口として、今までの取り組み+αで、SMJ-HS内の全国のS-VPGを軸とした一般電気店様に対する施策の検討、社内外への案内・発信や、その内容を織り込んだ、半期毎の“SVPG販促商談会”の提案内容の企画検討・商談会当日の提案などでした。
ご販売店様の売上増に繋がる策、シャープらしいお客様目線の販促策、時流に沿った販促策を、部内・全国の営業・ご販売店様の声など、多くの方とやり取りをしながら日々模索して形にしていく日々でした。様々な方に支えていただいた時期でもあり、非常に勉強になった時期でもありました。
この異動の後少しするとコロナ禍に突入し、今までできていたことが一気にできなくなった時期がきました。営業全体がさぁどうしようか、となっている時、当時の幹部から「9月に全国で合展(イベント)をせえ」と指示がありました。
ちょうど指示を受けたのが6月だったような気がします。
毎年この時期は、春夏商戦の真っ只中の時期ですが、コロナ初年度ということもあり、実売イベント数が激減している最中でした。確かに感染者の増減は波があり、落ち着き気味の時期もありましたが、本音で
「このご時世で、今、イベントをしていいのだろうか」
ということが、まず頭によぎりました。
正直悩みました。悩んで悩んで悩みぬいて、当時の上司とも相談し、
“今の世の中の状況で、ご販売店様に受け入れられるイベントの形を模索するしかない”
という結論になりました。
また、『有名芸人をオンラインで出演展開できるかも』という情報を共有いただき、そのエッセンスをどう企画に落とし込むかということを考え、いきついた答えとして、
最大限感染対策を行った上で、
●『お客様と有名芸人がオンラインで掛合いができるイベント』と銘打ち、イベントにお客様がご来店するきっかけづくりをはかる。
●オンラインで、有名芸人に実際に商品説明をしていただき、それぞれの会場で重点商品の集中販売を図る。
(従来から、住みます芸人にイベント時にお笑いライブに絡めて商品紹介からの実売推進を実施していたものを、有名芸人が全国のご販売店様に対してオンラインで説明するスタイルにする)
として展開し、
“コロナ禍で、イベント実施に二の足を踏んでいるご販売店様の背中を押す実売イベント”
“有名芸人との掛け合いが出来る という今までにない取り組みでコロナ禍でも、お客様に足を運んでいただきやすいイベント”
として実施する事になりました。
またイベントの名前は、“つながる Re:スマイルフェア” というイベント名としました。
このネーミングは、とあるご販売店様の声をもとに決めました。そのご販売店様は、コロナ禍となりお客様との接点がほとんどなくなってしまっている中で、自店での売出し(個展)の案内を出していいのか悩んでいたそうです。
こんな時期にイベントの告知を出すと「不謹慎じゃないか」と言われるかもと考えられていたとのこと。ただそのご販売店様は思い切って、「イベントするので良ければ来てください」 と案内状をお客様宅にもっていかれたそうです。
すると、お客様から
「よく来てくれたね。ほんとに会いたかったんよ。コロナになってみんなとの交流が減っていたから。ありがとう」 とお客様から声をかけられたとのことで、お互いが笑顔になったとのことでした。
そういった商売を通じて人と人とのつながりから『“笑顔“を取り戻す取り組みに、このイベントが一助になれば。』そんな想いを込めて、“Re:スマイル = 笑顔を取り戻す” イベントとして銘打ちました。





実際に9月になりイベントを実施すると、全国各地のご販売店様や合展先でオンラインでの接続を図り、有名芸人と遠方のご販売店様のお客様が、会話や掛合いをするなど、参加されたご販売店様の地域の中でのプレゼンス向上にもつながったイベントとなりました。またシャープ以外の他系列のメーカーの商品を扱っているご販売店様も、このイベントをきっかけに当社との関わりを深めていただく事もありました。
正直やってよかったなと思いました。
ただこの取り組みについては、全国の営業がご販売店様に、一店一店、仕掛け提案を必死に行っていただいたからこその取り組みでした。(皆様のおかげで、Re:スマイルフェアでの実施イベント件数 約100件。イベント実績も前年を上回る成果となりました。)
この後も、数年は定期的な取り組みとして展開をしましたが、良かった点はしかり、課題や反省点もしっかり情報をつないでいただける、全国の営業の方々の力に、ただただ助けていただき、そのおかげで成り立っていました。
また、よしもと芸人との調整を毎度やっていただける、イベントプロモーション部の皆様にもご無理を言いまくったように思います。ありがとうございました。
そしてそういった経験を元に、2022年より現所属に異動となり、部内での役割も少しずつ変えながらではありますが、SMJ全体に関わる業務に従事しております。現所属ではそれまでと違い、現場に直接アプローチする機会は以前に比べ減ってはいますが、先程記載した経験や、関わってきた全ての方からのお言葉を支えとして、日々業務を行っています。
今回バトンリレーを書いていて、これまでのシャープ人生、ご販売店様・上司・同僚を始め、色んな人に恵まれ支えられ、今に至っているなと改めて感じました。
特に努力を認めてくれる方々に支えられているなと思います。
自分自身がそうしてもらったように、そういう人でありたいなと日々思います。
ということで私のコラムは以上です。
次は、以前研修で関わりを持たせて頂き、非常に刺激を受けた方の一人である、
通信事業本部 パーソナル通信事業部 商品企画部
清水寛幸さん
にバトンをお渡ししたいと思います。
よろしくお願いいたします。

(松村亮佑/SMJ戦略推進担当 兼 HS戦略企画部)
≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第32走者はSMJ戦略推進担当 兼 HS戦略企画部の松村さんでした。第33走者は、松村さんからバトンを託された清水さんです。お楽しみに♪