【シャープ横断♪バトンリレー】第44走者◆学生時代からの憧れの海外部門でワクワクの連続!
<品質部 山田慶太郎さんとのつながり>
こんにちは。SAS事業本部 PCIヘルスケア事業部 海外PCI商品企画部 西村です。今回のバトンリレーでご紹介いただいた品質部の山田慶太郎さんは、私の所属する海外商品企画部で海外販売会社とOEM商品を開発する際、製品の細かな仕様や表記のチェックまで、いつも丁寧に対応してくださる頼れるお兄さんのような方です。
この文章の品質チェックまでお願いしたいくらいです。(笑)
<私が今の部署にいる理由>
現在、私は海外部門で商品企画の仕事を任されています。
この場に私が居られるのには一つのエピソードがあります。幼少期より、両親は私に対して「世界に触れてグローバルで活躍してほしい」という思いがあり、英語教室に通わせてくれていました。それをきっかけに、私は英語に興味を持つようになりました。中学時代には、大阪市と関西日本・スイス協会が長年続けている日本・スイス青少年交流事業に参加する機会を得ました。ご縁があり、中学1年生の時に6名の派遣メンバーの一人に選ばれ、夏季休暇中にスイスでホームステイを経験しました。
特に、日本大使館や公的機関、現地企業を訪問させていただいた経験を通じて、中学生ながら、「いつか海外で働きたい」という夢を強く抱くようになりました。








ただ当時は、ペーパーテストの成績が良くても実際のコミュニケーションがうまくできず悔しい思いをしました。このまま終わりたくはないという想いから、その経験をさらに活かして、大学2回生のときに1年間カナダへ留学。そこで、スイスのホームステイ先のファミリーに再会し、今度は中学時代とは違い、しっかりと意思疎通をすることができました。このときの成功体験が大きな自信につながりました。
とはいうものの、入社後の配属は国内でした。今思えば国内も私を成長させてくれた素敵な部署でしたが、当時の私は子どもの頃からの夢を諦めきれませんでした。また、両親に英語教室に通わせてもらったことも無駄にはしたくありませんでした。その気持ちをぶつけるかのように、入社式の日に当時の副社長から「何でも質問していいよ」と言われ、このチャンスを逃してはいけないと思い、恐れ知らずにも「海外部署に行きたいです!」と答えました。あの場でそんな大胆なことを言ったのは私だけだったと思います(笑)。このときに意思表示したのが良かったのか、数年後、国内での経験を積んだ後に念願の海外部署へ異動することができました。
当時背中を押してくれた上司の応援と支えに、感謝の気持ちでいっぱいです。
おかげで子どもの頃からの夢が叶い、現在は海外部署で商品企画を担当しています。海外市場は日本と文化や価値観が異なり、時には意見がぶつかることもあります。しかし、その違いを乗り越えて一つのプロジェクトを形にしていく過程は非常に刺激的で楽しいものです。
配属後すぐに上司から与えられたミッションは「アジアにおいて空気清浄機業界でナンバー1を獲得するために商品を開発し、名を響かせること」でした。国内ではありがたいことに業界ナンバー1として認知されている空気清浄機ですが、海外市場ではまだ認知度が低かったのです。ただ、どんなハードルも飛んでみたくなる私にとって、このミッションは私の社会人生活を充実させるものになりました。
実際にやってみると、様々な壁に直面しました。そもそもアジアは一括りにされがちですが、国ごとに文化・法律・生活様式・気候が異なります。そのため万人受けする商品を開発するのは非常に難題でした。しかし、留学時代に身に着けた英語での意思疎通能力を活かして、各国の販売会社と毎週のようにテレビ会議を行い、課題を見つけては仕様改善を重ね、最終的に開発の合意を得ることができました。
また、国によっては空気清浄機がまだ高級品とされ、生活必需品として認知されにくい難しさがあります。そこで付加価値を見出すためのプロモーション施策を通じて、生活に欠かせない存在として浸透させる過程に大きな挑戦がありました。
さらに、コロナ禍をきっかけに、安価で販売する競合他社のベンチマークや、性能だけでなく外観デザインやトレンドに左右される消費者需要の変化に対応するため、迅速かつ柔軟な対策を講じながらタイトなスケジュールで作業を進めることも求められるようになりました。
そうして誕生したのがPurefitシリーズ海外向け空気清浄機です。この機種の主担当という責任ある役職を任せていただいたことが大きな転機でした。チャンスを与えてくれた上司には感謝しています。この経験を通じて他部署との連携が深まり、社内の人とのつながりも広がりました。忙しい中でも、毎日がワクワクの連続で、「この仕事が好きだな」と思える瞬間がたくさんあります。


現在もPurefit空気清浄機をコア商品として認知度向上に取り組んでいます。私たちのミッションである「人々の健康を守る」ことに対し、実際に喘息や空気環境に悩んでいた方が改善されたというSNSでの投稿やコメントを見ると、大きなやりがいを感じます。


異なる国の方々と困難に立ち向かいながら、市場で競争力のある商品を開発しシェアを伸ばすために、チームと協力しその時代に合ったアプローチ方法を試行錯誤しながら、色んなアイデア勝負で日々業務に取り組むことには言葉で言い表せないほどの充実感があります。
また、現地スタッフとのコミュニケーションを通じて新しい視点を得たり、思いもよらないアイデアが生まれたりすることもあり、毎日が学びの連続です。市場調査から企画立案、プロモーションまで幅広く関わることができ、自分のアイデアが形になる喜びを感じられるのも大きな魅力です。



そして何よりも私たち商品企画の仕事は、デザイン部、技術部、経理部、品質部、海外販売会社の皆様など、多くの部門のご協力によって成り立っています。日々支えてくださる関連部門の皆様のおかげで企画を実現し、市場へ届けることができており、皆様の支えに、日々感謝の気持ちでいっぱいです。

<趣味話>
冒頭にお話しさせていただいた、関西日本スイス協会では毎年2回懇親会が開催されており、先日久しぶりに参加してきました。同期や先輩方に再会できたことも嬉しかったのですが、中学時代からお世話になっている私が尊敬する友野宏さん(当時住友金属工業〈現・日本製鉄〉代表取締役社長)とその奥様とお話しできたことが特に大きな喜びでした。
ご夫妻はいつも穏やかでにこやかに、誰に対しても分け隔てなく接してくださる素敵な方々です。今回伺った挑戦のエピソードも印象的だったので皆さんにもぜひシェアさせて下さい。友野さんは代表取締役を退任された年に「今年、スイスの山に登る!」と宣言しトレーニングを開始。初年は天候に恵まれず登頂できなかったものの、翌年にはリベンジに成功。その年は、友野さんはなんと70歳を超えていました。70歳を過ぎての登頂に、現地ガイドから「70歳を超えて登頂できた人を初めて見た!」と驚かれたそうです。友野さんは、これに満足することなく、その後もさらに難易度の高い山に挑戦されたとのことでした。
奥様も「ドイツ語で書かれたものを原語で読みたい」と勉強を続けていらっしゃるとのことでした。ご夫妻ともに年齢にとらわれず挑戦を続ける姿に心から感銘を受けました。「やりたいことに挑戦するのに年齢は関係ない」そう思わせてくれるご夫妻のお話でした。そして挑戦し続ける人が周りにいるからこそ、自分も挑戦を続けられるのだと感じました。新しいことに挑戦するには勇気とエネルギーが必要ですが、そうした人々のいる環境に飛び込むことで勇気をもらえるのだと思います。
私自身も入社後に登山を始め、当時の配属先の先輩に山岳部へ誘っていただきました。最近では念願の富士山に登頂しました。富士山は遠くから眺めると美しいですが、実際に登ると少し足を踏み外せば命に関わるのではと思うほど緊張感があります。途中は、高山病で強い頭痛に悩まされ、痛み止めを飲みたくなるほどでしたが、病気の兆候を見逃さないために我慢し、歯を食いしばって遂に最高峰の剣ヶ峰まで登り切りました。そこでの景色と達成感は、他の何にも代えられないほど感動的でした。
今回は、お二人から素敵なお話しを伺うことができました。これからも友野ご夫妻のように登山含めて色々なことに「何歳になっても挑戦し続ける人」でありたいと改めて強く思いました。
もうそろそろ年の瀬になります。2026年は、アジアだけでなくヨーロッパも視野に入れて、新たなことに挑戦したいと思います。





次のバトンは、
SAS事業本部 PCIヘルスケア事業部 国内PCI商品企画部
二和田こももさん
同じくPCI商品を扱われていますが、国内のステージで活躍されている二和田さんの記事は、海外とはまた違ったお話がお聞きできそうで楽しみです!よろしくお願いします。

(西村美咲/SAS事業本部 PCIヘルスケア事業部 海外PCI商品企画部)
≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第44走者はSAS事業本部の西村さんでした。第45走者は、西村さんからバトンを託された二和田さんです。お楽しみに♪

