オススメの一冊(34)春にして君を離れ

みなさんから募集した、とっておきの書籍を紹介します。ご自身の参考や、ご家族に紹介したくなる一冊とめぐり会えるかもしれません。

春にして君を離れ

アガサ・クリスティー 著 中村妙子 訳(早川書房)

春も終わりに差し掛かったころに、今年はまだ春らしい本を読んでいないなと思い、久しぶりに手に取りました。

主人公は自分の生活に満足しているイギリス人女性です。優しく裕福な夫と子ども達に囲まれ、自分は理想的な妻・母として暮らしてきたと自負していますが、旅の途中の砂漠で足止めをされ、話し相手もいない中で、いつしか自分の人生を顧みます。

信じていたことが真実ではなく、自分の思い込みだったかもしれないという疑問が彼女をどう変えていくのか。

読む年頃や置かれた環境によって捉え方は異なるのかもしれないのですが、深く感じ入るロマンティック・サスペンスの一冊だと思います。

購読登録しませんか?