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「あ、生理がきた」その瞬間に、安心を届けるために。シャープがお届けするサニタリープロダクトディスペンサー「todokuto」

2025年9月2日

著者:トム

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当社が7月に販売を開始したサニタリープロダクトディスペンサー「todokuto」

「生理が来たけど手元にナプキンがない」「すぐに生理用品を入手できない」──そんな悩みに寄り添う新しい選択肢として、当社は生理用ナプキンを非接触で1枚ずつ取り出せるIoTディスペンサー「todokuto」を開発しました。今回は当社新製品の特長とともに、企画担当者による開発の背景や想いなどもご紹介したいと思います。

■簡単に衛生的に

本製品は、トイレの個室や洗面所のそばに設置されることを想定しており、手をかざすだけで生理用ナプキンを1枚取り出すことができます。大量の持ち出しを抑制するため、次の取り出しまでに一定の制限時間を設けており、衛生面・公平性にも配慮しています。

■現場の声から生まれた、リアルな設計

製品の設計には、現場のニーズが反映されています。

● 操作は非接触・直感的に
● 昼用や夜用など複数種類に対応
● 設置は壁掛け・棚置きどちらも可能
● 通知は「少ない」「ゼロ」の2段階で送信
● 1枚取り出したあと、一定時間取り出しを制限

実際の設置イメージ。壁掛け、棚置きともに対応可能

また、設置案内や使い方を記したシールを3種類同梱しており、初めての利用でも利用者をしっかりとサポートします。

左から用品の種類、使い方の説明、ディスペンサーの設置をお知らせする各シール
シールの使用イメージ。ナプキンがあることを案内

■企画担当者の寧に本製品についてインタビューしました。

ー 本製品の開発のきっかけについて教えてください。 ー

企画担当 寧

もともと私たちのチームは、家庭向けの「生理用品IoT収納ケース」の開発をしていたのですが、2023年に静岡県浜松市から「ディスペンサーの開発はできないか?」という相談をいただいたのが始まりです。最初はすでに他社サービスもあるのでお断りしようかと迷った部分もありました。でも、浜松市の方から「生理用品の配布に、こういった課題がある」「ニーズがある」と、丁寧に教えていただき、やる意味があると感じました。
生理用品の提供をめぐる社会意識が高まってきた今こそ、変化を後押しする製品を作りたいと考え、開発をスタートさせたという経緯です。その後、浜松市を皮切りに、累計18施設へ試験導入し、実証実験を行ってきた実績があります。

ー 今回発表した本製品の愛称「todokuto」の由来を教えて下さい。 ー

企画担当 寧

この愛称「todokuto」には、「急な生理の時、手元に1枚届くと、ひと安心できる」という想いを込めました。
これまで実証実験を行ってきた先には、必ずやさしくて強い想いを持った担当者がいらっしゃいました。私たちは施設による生理用品の提供・配布を支援する立場として、この取り組みが、こうした皆さまのやさしい想いとともに、もっと社会に広がっていくことを願っています。
製品サイトのタンポポの綿毛をモチーフにしたグラフィックも、どんな環境でも根を張り広がっていく生命力と、やさしさ、軽やかさを表現しています。

「todokuto」の想いをたんぽぽで表現した

ー 「生理」のなやみについてはオープンに議論しづらい部分があったりすると思いますが、職場や学校などへの導入については順調に進みそうでしょうか。 ー

企画担当 寧

実証実験を開始して以来、企業や学校、自治体から合計100団体以上お問い合わせをいただいており、市場からのニーズを実感しております。
ただ、公立の学校に設置するには教育委員会の許可が必要な場合もあり、設置には一定のハードルがあります。学校への普及には自治体の積極的な後押しが重要だと感じています。

ー 設計にあたり、特に工夫した部分を教えてください。 ー

企画担当 寧

設置場所となるトイレ内で邪魔にならず、さまざまなレイアウトにも対応できるよう、サイズや形状に配慮しています。また、人との距離が近い製品であることから、清潔感があり、柔らかさを感じられるよう、ディテールや仕上げも意識したデザインにしています。
機能面では、誰でも直感的に使える操作性を重視しました。アプリのインストールや登録などは不要で、機器に手をかざすだけで生理用品を1枚取り出せます。取り出し後は一定時間が経過しないと手をかざしても機器が反応しない仕様になっており、取りすぎを防止しています。また、残量に応じて管理者へメールで通知が届く仕組みも備えています。

ー 価格を教えてください。 ー

企画担当 寧

価格につきましては、商流や設置方法などのご希望内容により異なります。そのため、個別にお見積もりさせていただいております。また、複数台導入で割引を適用するケースもありますので、お問い合わせください。毎月の利用枚数や、在庫切れなどを通知するIoT機能は最初の1年間は無料でご利用いただけます。

ー 今後の展開について考えていることを教えてください。 ー

企画担当 寧

社内アンケートやお問い合わせから、「このディスペンサーを使って男性の尿漏れ対策の支援もできるのではないか」という意見がありました。私も生理用ナプキンだけでなく、その他の日用品への活用の可能性はあると考えています。
また、私たちは用品の配布をサポートするだけでは、本質的な課題解決にならないと考えております。セミナーや、他の福利厚生サービスと組み合わせることで、一人ひとり心身に寄り添った包括的なサポートを、自治体や企業の皆さまと一緒につくっていけたらと願っています。
福祉に関する課題は多様で、正解は一つではありません。見えにくく、語られにくい課題にこそ、寄り添いながら働きやすさの新しいスタンダードを、共に社会に根づかせていきたいと考えています。

ー ありがとうございました! ー

サニタリープロダクトディスペンサー「todokuto」の商品企画チーム

私、広報トムは男性ですので、直接的に生理がどういったものか体験したことはないのですが、今回の取材を通して、改めて生理のなやみを社会全体で考えていけるよう、まずは身近な人から配慮していければと感じました。そして、この製品が広まって、不安や嫌な思いをする方が少なくなればと思います。

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