仕事をしていると、ミーティングを開くことも多々ありますよね。
ミーティングに必須なのが議事録。しかし手作業でメモしていると、内容が理解できなかったり、聞き漏らしたりしたとき、後で確認するのも大変です。
正直なところ、自分が議事録係をするミーティング中は、聞き取ることに精いっぱいで議論に集中しにくく、意見を考えるのがおろそかになることもあります。
シャープは、そんな議事録作成で苦労するお客さまを、会話内容の文字おこしから要約作成までサポートする議事録作成支援ツール「eAssistant Minutes」でお手伝いします。

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この「eAssistant Minutes」の特長や開発のエピソードについて、開発を担当した鍋谷に聞きました。

■「eAssistant Minutes」の特長は?
ローカルPC(サーバー)に、当社独自のエッジAI技術を搭載したアプリケーションをインストールして利用します。データをクラウドにアップロードせず、エッジAI技術で文字起こし・要約作成までしますので、ネットワーク上での情報漏洩がありません。
さらにミーティング中にリアルタイムで文字おこしと要約作成をするので、会議中の理解をアシストします。そして会議後にすぐ議事録を作成・配布(PDF・Word形式)できますので業務効率化が図れます。
またクラウドサービスで一般的な従量課金ではなく買い切りですので、月々の利用時間を気にする必要はなく、ライセンス制でもありませんので、その都度、誰でも何人でも使うことが可能です。

また、8月29日のアップデートで、リアルタイムでの議事録作成だけでなく、お客さまからの要望が多かった「動画・音声ファイル」を読み込んで文字おこし・議事録作成する機能を追加しました。そのほか、精度も向上し、より使い勝手が良くなっています。
■エッジAI(人工知能)技術とはどんな技術ですか?
エッジとは、日本語で「端」のことで、ネットワークを中心に考えると、末端に位置するPCやスマートフォンなどの各デバイスがエッジデバイスということになります。
AIによるデータ処理をクラウドで実施するのではなく、端であるデバイス、ここではローカルPC(サーバー)上で行う形態のAIコンピューティングをエッジAI技術と呼んでいます。
エッジAI技術を搭載したローカルPC(サーバー)上のアプリケーションでAIによるデータ処理を実現すると、クラウドとの通信による遅延が無いため、リアルタイム性があり、通信コストもかからないことが利点です。
シャープでは、当社独自のエッジAI技術を「CE-LLM(Communication Edge – Large Language Model、シーイー・エルエルエム)」と呼んでいます。
■システム構成は?
アプリケーションをインストールするローカルPC(サーバー)、音声伝送用のオーディオアダプター、アプリケーションのコントロール用に使うホストパソコン(別売)、ミーティング中の音声を収録するマイクなどの音声デバイス(別売)から構成されます。

ミーティング中、参加者はブラウザ上で文字おこしや要約された内容を確認できます。
ミーティングを終了すると、ホストパソコンにのみ、文字おこしや要約データ、さらに音声データが自動で保存され、ローカルPC(サーバー)のミーティングデータは消去されます。
■開発で苦労したところは?
苦労したところは、やはりAIの調整ですね。今回たくさんのAIを扱ったのですが、アウトプットに正解がないのが困りました。例えば要約機能であれば、人によって正解は違います。正解というか好みの違いですね。私は短い方が好みなのですが、分量が多くないと情報量が欠落していると考える人もいます。通常のソフト開発であれば明確なゴールを決めてから作るものですが、AI開発はゴールが明確にならずに常にブラッシュアップしていく点で、手探りの開発になりました。
■どのようなブラッシュアップをしたのでしょうか?
いろいろな会議室に設置して実際に使ってもらいながら感想を集めたり、社内アンケートをとって好まれるアウトプット傾向を調査したりしました。また、開発拠点だけでなく他拠点にも設置し、地域ごとの反応の違いも参考にしました。こうした実地検証を重ね、より多くの利用者に受け入れられるよう改良を進めました。
また、開発初期は数人の小さなチームでスタートしましたが、徐々にメンバーを増やしながら進めていきました。前例のない新製品だったため、日々議論を重ね、時には意見がまとまらず、夜遅くまで意見をぶつけ合うこともありました。短期間で製品化できたのは、メンバー全員が「この製品を市場に届けたい」という強い想いで一丸となって取り組んだからだと思います。
■今後の展開は?
市場にリリースして以来、多くのお客さまから温かいご意見やフィードバックをいただいております。特にご好評いただいている文字おこし・話者分離・要約といったAI機能の精度と性能向上に、今後も継続して注力してまいります。
また、エッジならではの高いセキュリティ性や安定性を活かしつつ、より柔軟でスケーラブルな(拡張性のある)ソリューションの実現にも引き続き取り組んでまいります。
今後もAI技術の進化を追求し、皆さまの業務や生活をより豊かにできるよう挑戦を続けてまいりますので、今後のアップデートや新サービスにもぜひご期待ください。
――ありがとうございました。
音声認識技術は、AIによる深層学習(ディープラーニング)が導入されたことで、本格的な実用段階に入っています。今回、取材で実際に打合せの文字おこしを体験してみて、改めてそのことを実感しました。
当社は今後も、AIを活用したサービスを提供することで、よりクリエイティブな業務に集中できる環境を実現し、生産性向上をサポートしていきます。
(広報C)
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