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もうすぐ架空のキャラに触れるようになるかも??「VR触覚コントローラー」体験会へ潜入!

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「VR触覚コントローラー」(試作モデル)体験会 VR空間内の球体に触れる様子

VR※1空間では、人や物などのオブジェクトが視覚的には目の前に存在するかのような”仮想現実”の体験ができます。最近では、VRゴーグルと体験装置を用いて、建物の屋上から落下するバンジージャンプ体験を味わえるアトラクションなども出来ており、絶叫している様子を見ると、かなり本物に近い感覚が味わえるようになってきているんだと感じています。私は怖くて試せませんけど…。

※1 VR:バーチャル・リアリティ(virtual reality)とは、コンピューターによって創り出された仮想的な空間を現実であるかのように疑似体験できる仕組み。日本語では仮想現実と訳されている。

こうした「見る(視覚)」・「聞く(聴覚)」の情報を主体としたVR空間内で、架空のオブジェクト(物体)に触れられる「触覚」が加われば、さらにリアル感が増すはずですよね。この技術が進化すれば、例えば、VR内でアニメキャラクターに触(さわ)れたり、ハイタッチしたり、触ることができない国宝級の工芸品などの表面状態を確かめるなど、いままで不可能だったことができるようになるはずです。

開発中の「VR触覚コントローラー」による触覚イメージ

現時点では、手触りなどの「触覚」はまだまだこれからの状況にありますが、実は、このような未来の実現に向けてシャープは「VR触覚コントローラー」を開発中なんです!

「VR触覚コントローラー」(体験用試作モデル)

■「VR触覚コントローラー」とは

開発中の「VR触覚コントローラー」は、指先に接触する部分にさまざまな振動パターンを発生させる独自の触覚素子を設置したもので、手に装着することで、オブジェクトに触れた際の質感(つるつる、ざらざらなど)を”指先”で感じることができる新たなインターフェースです。

指先に接触する部分に独自の触覚素子を設置

■「VR触覚コントローラー」体験会

9月23日、一般応募者を対象に、この「VR触覚コントローラー」の体験会を当社芝浦オフィス(東京都 港区)で開催しました。本当に、ないものに触れる感触を味わえるのか、イベントに潜入してきました。

 

受付をすませたら、順番を待つ間に今回の体験内容を約5分間の動画で確認しておきます。

順番が来ると、いざ体験コーナーへ。
VRゴーグルと「VR触覚コントローラー」を装着します。

「VR触覚コントローラー」を装着

まずは順に、4種類の異なる質感を体験します。アスファルト、木、岩、金属をイメージした板状のオブジェクトの表面(それぞれ、「ざらざら」、「さらさら」、「ごつごつ」、「つるつる」をイメージ)をVR空間でさわります。

岩をイメージした板の表面を触る様子
金属をイメージした板を触る様子

みなさん、最初は様子を見るかのように、恐る恐る触っていましたが、何もないはずなのに板の質感が感じられ、さらにそれぞれ違う感触が異なるのが分かり、何度も繰り返して4つの異なる板を触る様子が見受けられました。

次に、球体を感じてもらう体験です。

球体であることが実感できたのが面白かったようで、実際に目の前に球体があるかのように、上から、下から、少し奥の方まで場所を変えながらなでるように感触を確かめていたのが印象に残りました。

球体をなでる様子

体験された皆さんは、板状の表面よりも、球体を触っているときの方が面白く感じられたようで、触っている時間も長かったように思います。

最後に、アンケートを書いて体験会は終了しました。

当日は、合計43名と多くの方に体験していただきました。“手触り”ができるVRへの関心がいかに高かったのかが分かります。


続いて、私も体験してみました。本当に感触あるのかな?と疑心暗鬼で触ってみたのですが、木や岩など異なった感触が分かるんです。まずそれに驚きました。本物の岩の少しくぼみがあるような感触も確かにあるんですよね。
続けて、球体をなでまわしてみました。実際には何もないのに球体を感じるとは・・・すごい技術です。

 

■体験会の反響

参加された方の反響(アンケート結果)を紹介します。

このプロジェクトに期待していただいており、約8割※2の方が「開発が中止になると困る」と回答してくださいました。

※2 「非常に困る」:4.9%、「かなり困る」:14.6%、「少し困る」:58.5%、「あまり困らない」:14.6%、「全く困らない」:14.6%

「新しい体験で良かった」「触覚の違いがわかった」「立体コンテンツへの対応がよかった」「感覚あるだけでも没入感が向上した」「応援している」などポジティブな意見もたくさんいただけました。

一方で、「違いは分かるけど、もう少し明確に違いが分かるようにしてほしい」、「クオリティをもっと高めてほしい」という声、「手のひらや親指にも触覚素子を設置してもらい、手のひらなどでも感じたい」、「質感だけでなく、オブジェクトの重さ・固さ、温度などを感じられる力覚FB機能や温度FB機能も追加してほしい」、さらに「フィンガートラッキング(ユーザーの指の動きをリアルタイムで追跡し、仮想空間内でのインタラクションを可能にする技術)を実装してほしい」といった要望がありました。

これらのご意見を受けた開発チームの感想を聞くと、「アンケート結果を活かし、市場性、実現性、将来的な採算性などを加味しながら仕様、開発方針を検討していきます」とのことでした。体験会を実施し、さらに商品化の意欲が高まったようで、話の端々に「みなさんに喜んでもらえるレベルのものを必ず実用化したい!」との強い意気込みが伝わってきました。

「VR触覚コントローラー」開発チーム
(左から3番目 開発チーム責任者 胡間、4番目 「VR触覚コントローラー」開発リーダー吉田 )

「VR触覚コントローラー」を体験して、何もないのにオブジェクトの感触があることに、とても不思議な気持ちになりました。商品化にはさらなる進化が必要だと思いますが、実現すれば、当社のコーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を体現する、シャープらしい製品になりそうです。実用化を期待してお待ちください。
(広報H)

<関連サイト>
SHARP INCUBATION HUB(Game Changerの創出をブーストするプラットフォーム)
VR触覚コントローラー
VR触覚コントローラー体験会を実施!(「VR触覚コントローラー」開発チーム制作のnote記事)
コーポレートスローガン(シャープ コーポレートスローガン)
 コーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を制定(ニュースリリース)

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