SHARP Blog

サーキュラーエコノミーの取り組み:設計からリサイクルを視野に入れた白物家電の「リサイクル設計研修」を実施

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「リサイクル設計研修」の様子

シャープは、新たな資源の投入や消費を抑えつつ、廃棄物の発生を最小化する「サーキュラーエコノミー(循環経済)」の実現に向け、リサイクル現場と一緒になって、環境に配慮した製品設計、開発に取り組んでいます。

その取り組みの一つである、家電の商品企画と技術の担当者を対象とした「リサイクル設計研修」は、2009年の開始以来、19回開催、のべ267人が参加しました。一昨年は洗濯機、昨年はテレビを対象に行い、その様子を本ブログでも触れましたが、今回は、洗濯機・冷蔵庫・エアコンの3製品を対象に研修を行いましたので、ご紹介します。

 

リサイクル設計って?

リサイクル設計とは、皆さまのご家庭で使わなくなった家電を新たな用途につなげるため、解体し、素材ごとに分別することをあらかじめ想定し、製品設計の段階から仕掛けづくり(=設計配慮)することです。材料選択からリサイクルまでを考慮したモノづくりをすることによって、プラスチック廃棄物の発生抑制が期待できます。

*:関西リサイクルシステムズ株式会社では①エアコン、②テレビ(ブラウン管、液晶、有機EL、プラズマ)、③冷蔵庫・冷凍庫、④洗濯機・衣類乾燥機の4品目をリサイクルしています。

 

関西リサイクルシステムズでリサイクル研修を開催

4月21日、22日と2日間にわたり、洗濯機・冷蔵庫・エアコンをはじめとする白物家電の設計や企画など商品開発に関わる部門や、ESG推進担当者など、のべ25名(1日目13名、2日目12名)が、関西リサイクルシステムズ株式会社(以下、 KRSC)本社工場に集まり、リサイクル研修を受講しました。

研修会場であるKRSC本社工場は、「マイカタちゃいます、ひらかたです。※1」の大阪府枚方市に位置し、近畿エリア※2の皆さまのご家庭から排出された洗濯機・冷蔵庫・エアコンのリサイクルを行っています。

研修は、初日午前中、KRSC代表取締役社長 丹波 秀行さんによるオリエンテーションから始まりました。続く講義では、「家電リサイクル法におけるメーカーの責務」に加え、資源有効利用促進法改正における再生資源の利用義務や環境配慮設計の促進などの動向についても学び、その後、KRSCのリサイクル現場を見学しました。

KRSC代表取締役社長 丹波 秀行さんによるオリエンテーション

「家電リサイクル法におけるメーカーの責務」の講義の様子

※1 ”ヒラカタ”ではなく、”マイカタ”と読み間違いする方が多いことを逆手に取った枚方市のキャッチフレーズ。https://www.city.hirakata.osaka.jp/vod/0000006801.html

※2 使用済み家電製品の再商品化等を事業内容として、当社と三菱マテリアル株式会社を中心に大阪府枚方市に1999年12月に設立(2001年4月操業開始)した関西リサイクルシステムズ株式会社(https://www.krsc.co.jp/)の担当エリアは、大阪府・京都府・奈良県・和歌山県(新宮市除く)・滋賀県(大津市のみ)。

 

シャープが取り組む「自己循環型マテリアルリサイクル」

シャープは、廃家電から得られるプラスチックを原料に新たに家電製品に活用する「自己循環型マテリアルリサイクル」に取り組んでいます。(⇒「シャープのサーキュラーエコノミーの取り組み<シャープ サステナビリティサイト>」にて詳しく紹介していますので、ご参照ください。)

また、資源有効利用促進法の一部改正※3に伴い、今後再生材の利用が義務付けられていくことから、廃家電からいかに純度の高い単一プラスチックを得て、新たなプラスチックに生まれ変わらせるかが今後、さらに重要になります。

午後は、そうしたリサイクルに配慮した設計について、社内講師から講義を受けました。

「プラスチックのマテリアルリサイクル」の講義の様子

KRSCに掲示されている「シャープの自己循環型マテリアルリサイクル」

※3 「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律及び資源の有効な利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定され、通常国会で可決されれば2026年4月1日より施行予定。

 

家電製品の解体を実際に体験!

初日の午後は洗濯機、2日目は、冷蔵庫とエアコンの解体を体験しました。

講義の後、実際に解体を体験することにより、素材分離のしやすさやネジの外しやすさ、作業性などの観点から設計配慮の重要性について理解を深めました。

初日:洗濯機の解体実習の様子

2日目:冷蔵庫の解体実習の様子

2日目:エアコン室内機の解体実習の様子

 

リサイクル現場の声と設計への反映

解体実習後は、解体してみての感想、気づいた点、改善点などについて各グループで話し合い、グループ発表を行いました。KRSCから、日頃リサイクル現場において感じていることや設計改善要望事例を説明、リサイクル現場や設計者、利用者などあらゆる角度からの目線で、ディスカッションしました。

初日:KRSCとのディスカッションの様子

2日目:グループディスカッションの様子

 

「座学」「体験」で学び「現場の声」を感じて、新たな商品開発へ

研修を終え、受講者からは、「講義に加え工場見学・解体実習を通して、リサイクル配慮設計の重要性を体感できた」「解体現場を見て、実際の作業者の生の声を聴くことができ、設計時に考慮しなければならない点がよく理解できた」「実際に自分の手を動かしながら商品を解体することで、リサイクルにおける構造、材質についての新たな気づきが得られ、とても有意義な時間だった」といった感想が聞かれ、今後の商品開発への意欲も高まった様子でした。

シャープから発信する今後の製品、情報にどんな変化がもたらされるか、これからも資源循環型社会に貢献すべく歩みを進めるシャープの可能性にご期待ください。

(SAS S)


<関連サイト>

■SHARPBlog:

サーキュラーエコノミーの取り組み<シャープ サステナビリティサイト>
関西リサイクルシステムズ株式会社

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