【シャープ横断♪バトンリレー】第53走者◆「シャープってすごい!」と言わせたい
同郷である岡山出身の柏谷さんよりバトンを受け取りました。EV事業推進センター 事業戦略部の角田です。
最近、社内で久々にお会いする方から「EVの部署ってどんな感じ?」と声をかけていただくことが増え、とてもありがたく思っています。早いもので入社12年目。今回は貴重な機会をいただきましたので、これまでの失敗や情けない経験を振り返りながら、現在取り組んでいるEV事業についてもご紹介したいと思います。
筆を執るのは学生時代の「前略プロフィール」や「mixi」以来ですが、どうか最後までお付き合いください。
■シャープってすごい!
私が高校2年生だった2008年、めでたく母校が創立100周年を迎えました。その際、OB代表として特別講演をしてくださったのが、当時、シャープ社長を務めていた片山幹雄さんです。講演では電機業界の未来と若者への将来の期待を重ねた激励の言葉をいただきました。
翌年、記念事業として図書館が改装されたのですが、その目玉として導入されたのが、発売されたばかりの「初代BIG PAD」でした。
当時はまだみんなガラケーを使っていた時期で、田舎の少年の私にはタッチができる大型ディスプレイが何より衝撃でした。
先生たちもとにかく使ってみたかったのでしょう。納品初日は、無理やり図書館に移動して授業が行われることに。
・・・とにかく全員が夢中でした。普段は「授業=睡眠時間」とばかりに寝ているクラスメイトたちも身を乗り出しており、初めて見る授業空間がそこにはありました。
新しい技術が世の中に生まれると、こんなにも世界が変わるのか。高校生ながらに肌で感じたその感動は、今でも鮮明に覚えています。日本のモノづくり技術ってすごい!シャープってすごい!!
その後、進学した大学では教育学部だったこともあり、「このまま教員になるのかな」とぼんやり考えていました。しかし、大学1年からアルバイトをしていた小学校の学童保育で、園長先生にある日、「ちょっと話があります」と呼び出されました。
園長先生に両手で優しく手を包まれ、こう諭されました。「角田君、あなたが子どもと同じ目線になって、一緒に楽しく遊べることは、素晴らしい才能だと思っています。
でもね、教員になるにはそれだけじゃダメなの。あなたは一度、一般社会へ出なさい。」と。
そんな的確で切ないアドバイスをいただき、就職活動を始めることになりました。
そして、高校時代の思い出もありシャープにエントリーしました。ありがたいことにご縁をいただき、2015年4月に入社しました。
■営業って難しい
入社後に配属されたのはシャープビジネスソリューション(現在のSMJ-BS)の首都圏ドキュメント営業部。複合機の販売店ルート営業部門でした。

奈良の大和郡山での工場研修中、初期ロットを生産しており、背面のビス2個を1日中、留め続けていた思い出です。発売後、担当箇所に問題が起きませんようにと祈っていました。
デジタルフルカラー複合機3モデルを発売|ニュースリリース:シャープ
ルート営業では、シャープ製品を取り扱ってくださる販売店に対して、営業活動を行います。
自分でお客様に販売する直販営業も大変ですが、数多くの選択肢の中からシャープ製品を選んでいただき、販売店の皆さんに売っていただくことも、同じように難しい仕事です。
ただ、配属された当時、「自分はスーパー営業マンになれる」という根拠のない自信に溢れた若者の一人でした。――が、その自信はすぐに打ち砕かれます。
初めに担当した販売店は、複合機の競合メーカーである京セラさんの重要店で、当時その販売店におけるシャープのシェアは2位でした。
若さと勢いしか手札がなかった自分に対し、初めは面白がって相手をしてくださった取引先の皆さんも、「良い商品です!売ってください!」と繰り返すだけの私に、徐々に耳を傾けてくださらなくなりました。同時に、競合メーカーとの売上実績の差も広がっていきました。
複合機は5年リースが基本で、メンテナンスをしながら長く使っていただく商材です。当時のシャープは、経営危機の真っただ中にありました。
少しでも実績を上げ、会社に貢献したい。その一心で、販売店の営業マンと雑居ビルを最上階から一社ずつ飛び込み訪問しました。しかし、ようやく話を聞いてくださった社長から、「5年後にどうなっているか分からない会社の商品は買えない」と断られることもありました。つらい日々でした。
1年目、やる気が空回りすることも多く、理想とのギャップで上手くいかない自分が悔しくて、職場のデスクで大粒の涙を流すこともありました。(少なくとも3回はご迷惑をおかけした記憶です。そのたびに飲みに連れて行っていただき、親身にアドバイスをしてくださった諸先輩方に感謝です)
今思えば、それだけ本気で仕事に取り組める環境を、上司や職場の皆さんがつくってくださっていたのだと思います。しかし、当時はそこまで考えられるほど大人ではありませんでした。情けないことに、部長に「担当を変えてほしい」と泣きついてしまいました。
担当を外れた後、その販売店でお世話になった方が退職されるという話を小耳に挟み、外回りのスケジュールの合間にお礼のご挨拶に伺いました。
もう担当ではない手前、なるべく他の社員の皆さんと鉢合わせない時間帯を狙ったのですが、タイミングが良いのか悪いのか、普段は日中社内にいないはずの役員の方が在社されており、冷や汗をかきました。「上司には内緒で来たので、どうか見なかったということでお願いします・・・。」とお伝えし帰社したところ、デスクにはすでに事の顛末を知った部長がいました。
その役員の方から部長に対し、「ウチの会社を大事に想ってくれている気持ちが嬉しかった。角田を担当に戻してほしい。彼が1人前の営業に成長できるまで見届けたい。」との申し出があったようです。
営業としてこれ以上なく嬉しいお言葉であると同時に、自分としても途中で投げ出してしまって心残りに感じていたこともあり、「もう一度チャンスをください。」と、わずか数カ月で再登板することになりました。
緊張しながら翌朝、販売店へご挨拶に伺うと、販売店の皆さんが「おかえり!」と笑顔で迎えてくださったことを、昨日のことのように覚えています。
その後も紆余曲折ありましたが、部署の先輩方から「ヒントは現場にたくさん転がっている」と指導をいただき、若手の特権であるトライ&エラーを温かく見守ってくださいました。その結果、少しずつですが自分の中での正解を導き出し、半泣き程度の失敗で済むようになっていきました。
営業の難しさ。そして、一つのシャープ製品がお客様のもとへ届くまでには、たくさんの人の想いや苦労が詰まっているということ。入社直後にその両方を知れたことは、その後のシャープ人生における大きな財産になりました。
■「一人区」での奮闘と成長
入社4年目には、新潟県全体を一人で担当する「一人区」へ異動しました。直後にコロナ禍となり、県外からの応援も難しい状態に。製品トラブルの際には、お客様から受けた質問は全てお答えし、信頼回復ができるよう、取扱説明書を夜通し読み込んで翌朝お客様のもとへ向かうことも少なくありませんでした。
必死に目の前の課題と向き合う中で、製品への理解が深まり、自分だけの提案ができるようになったこと。次第に自分で最後までやり抜く責任感も身についていきました。新潟で2年、その後宇都宮の5年間で得た多くの出会いや経験が、現在の自分の大きな支えです。
特に、入社以来ずっとお世話になっている上司からの、「個性」と「感性」を大事にしてほしいという言葉は、今でも私の大きな指針となっています。
■そして、EV事業へ
その後、縁があり今年の1月よりEV事業推進センターへ異動しました。
私が学生の頃から、将来はEVが主流になり、家電メーカーが車を作る時代がやってくるといった未来像がよく語られていました。
時を経て、そんな夢のある大きな挑戦に、自分が携われていることに喜びとやりがいを感じています。
ここで、私自身も驚いたEVの最新事情を二つご紹介します。
EV(PHEVを含む)の世界販売は、2025年に2,000万台を突破し、世界の新車販売の「4台に1台」を占める規模まで拡大しています。販売台数が最も多いのは中国で、世界販売の約6割を占めています。 では、新車販売におけるEVの「比率」が最も高い国は、どこだと思いますか?

Trends in electric cars – Global EV Outlook 2026 – Analysis – IEA
実はノルウェーなんです。なんと、PHEVを含めて約97%です!
意外な上位3か国には、ある共通点がありました。

Norway – Countries & Regions – IEA
Nepal – Countries & Regions – IEA
Iceland – Countries & Regions – IEA
日本のEV比率はまだ4%ほどにとどまっています。一方で、車種の拡充や充電環境の整備は進んでおり、市場の拡大へ大いに期待したいところです。
そんな中、日本でもEVを導入することで環境へのアクションを始めている企業があります。EV100という取り組みをご存じでしょうか。
先日、EV100の加盟企業であるアスクル株式会社様へお伺いし、取り組み内容を勉強させていただく機会がありました。さまざまな苦労を抱えながらも、2030年までの配送車両100%EV化に向けて奮闘される皆様のお話を伺い、事業所の駐車場一面にEVが並ぶ光景も拝見しました。圧倒されると同時に、大きな刺激を受けました。
気候変動・脱炭素 | 環境 | 環境・社会活動 | アスクル株式会社 企業サイト
EV導入のリーディング企業や、充電器メーカー、電力会社など、EVビジネスに関わる多くの企業の方々とお話しする機会があります。その中で、必ずと言ってよいほど共通して聞かれる言葉があります。
それは、「地球のために」という言葉です。
グリーンコープ生活協同組合様では、独自の「OUR GREEN」プロジェクトのもと、全車両1,300台のうち、2026年1月時点で656台(約50%)のEV化を完了。年内には74%まで切り替えを進める計画年度末までに613台、約46%をEV化する計画です。
グリーンコープふくおか様へ訪問した際、車両には、こんなメッセージが記されていました。

全車両の74%を2026年12月までにEVにし、CO2を年間3,446トン削減
私もEV事業に携わる一人として、その使命を心に刻みながら、仕事に向き合っていきたいと感じました。
さて、シャープへ話を戻しますが、昨年開催された国内最大級のモビリティイベント、JAPAN MOBILITY SHOW(JMS)でコンセプトモデル「LDK+」を発表しました。

EVの新しいコンセプトモデル「LDK+」を「Japan Mobility Show 2025」で初公開|ニュースリリース:シャープ
自動車業界ではこれまで、走行性能や燃費など、「走る場面」に多くの関心が向けられてきました。
しかし、車が走っている時間は、1日のうちわずか5%に過ぎません。
「自動車は、95%の時間停まっている。」
家電メーカーである私たちだからこその発想。この「走らない時間」に注目した、まさに「ひとの願いの、半歩先。」なコンセプトです。
車との付き合い方が多様化する中でも、日々の生活に自動車を必要とする方が多くいます。
そうした方々が、これまで「ただ置いておくだけ」だった95%の時間を、「自分だけの新たな空間」として活用できたらどうでしょう。車を所有することに、これまでとは違う価値を感じていただけるはずです。
■シャープらしいEVを、皆さんと
シャープのEV事業を、まずは社内の皆さんに一番近くで応援していただけたら、これほど心強いことはありません。そして、「乗ってみたい」と思っていただける、シャープにしかつくれないEVを実現したい。現在、チームで知恵を出し合いながら、日々挑戦を続けています。
ゼロからの事業に携わる中で、これまで当たり前のように支えられていたものの大きさにも気づきました。シャープを応援してくださる取引先、発注すれば商品が届く物流ネットワーク、毎年生み出される新製品。その一つひとつが、先人や現在の担当者の方々によって、長い時間をかけて築かれてきた財産です。その大きさを、身に染みて感じる毎日です。
実現までの道のりは長く険しいですが、社内のさまざまな部門の皆様のお力をお借りしながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。
かのクラーク博士が残した「少年よ、大志を抱け」という言葉を、少年とはとても呼べない34歳になった今、あらためてかみしめています。
「シャープの車が街中を走る風景を、日常にする。」
それが今の私の夢です。その車を見たどこかの少年が、かつての私と同じように「シャープってすごい!」と憧れを抱いてくれることを願い、全力で頑張ります。
ついつい熱い想いが溢れ、長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次のバトンは、せっかくなので私と同じく車に関わる事業を・・・ということで、
私の親しい同期で、現在アメリカのデトロイトに駐在し、米国の自動車メーカー向け車載ディスプレイの受注開発活動をされている、
SEC(米国販売会社) デバイス事業部 DP車載営業部
早浪由紀さん
に繋ぎます。
編み物にハマっているのは知っているのですが、肝心な業務については知らない事も多く・・・笑
異国の地で日々奮闘されている、リアルな海外駐在の様子を今から楽しみにしています。
いつかグローバルに活躍したいと思っている方、シャープってアメリカでどんな事業をしてるの?と気になっている方、必見です!
それでは早浪さん、よろしくお願いします!

(角田卓也/EV事業推進センター 事業戦略部)
≪シャープ横断♪バトンリレー≫とは…?
みなさんの人脈を駆使しバトンのようにコラムを繋いでいくという、太古の昔からある数珠つなぎ企画!第53走者はEV事業推進センターの角田さんでした。第54走者は、角田さんからバトンを託された早浪さんです。お楽しみに♪







