【新任役員紹介】黄清苑さん

会長の黄清苑こうせいえんです。

私は長く金融業界に携わり、日本や台湾をはじめ、さまざまな企業や経営者と仕事をしてきました。このたび、これまでとは異なる製造業の世界で、シャープの会長という役割を担うことになりました。製造業は私の専門分野ではありませんが、これまでの経験を生かしながら、皆さんと一緒にシャープの成長に向けて取り組んでいきたいと考えています。

私のキャリアは金融業界から始まりました。大和証券では長年にわたり金融に関する仕事に携わり、アジアビジネスにも関わりました。その後は自身でファンドを立ち上げたほか、台湾の金融グループや東京スター銀行などでも経営に携わってきました。金融の仕事を通じて、さまざまな産業や企業を見る機会に恵まれたことは、今の私の経営に対する考え方にもつながっています。

そうした経験の中で強く感じてきたのが、経営における「スピード」の重要性です。
世の中や市場がこれだけ速く変化する時代に、時間をかけて検討しているだけでは、せっかくのチャンスを逃してしまいます。もちろん、大きな企業になればなるほど、意思決定に伴うリスクも大きくなります。だからこそ必要なのは、ただ早く決めることではありません。日頃からさまざまな情報を集め、自分自身の知識を深めた上で、その場でしっかり判断できる力を持つことが重要だと考えています。

一方で、企業が長く成長し続けるためには、スピードだけでは不十分です。

企業の規模が大きくなれば、組織のあり方も変えていかなければなりません。そして、3年先、5年先、さらには10年先に市場やお客さまがどう変わっていくのかを考え、必要な投資や研究開発、人材育成を進めていく必要があります。次の世代を担う人材を育て、適切なタイミングでバトンを渡していくことも、経営者の大切な役割の一つだと思っています。


シャープには、100年以上にわたり培ってきた歴史があります。これまでさまざまな新しい製品を世の中に送り出してきました。そして今も、優れた技術と人材を持つ会社だと感じています。

時代や経営環境は常に変化します。その変化に対応するためには、私たち一人ひとりが危機感を持ち、「これから何をすべきか」を考えることが必要です。やるべきことに集中し、必要な改革に取り組んでいけば、シャープはさらに良い会社になっていけると私は考えています。そのためには、何より従業員の皆さんの力が必要です。

また、これまで日本と台湾の交流にも長く携わってきました。このたび、その取り組みを評価いただき「令和8年度外務大臣表彰」を受けました。
これまで、日本と台湾の企業や金融機関の連携をはじめ、地方自治体を含めた経済交流など、さまざまな形で両者をつなぐ役割を担ってきました。コロナ禍では、日本から台湾へのワクチン提供の実現に向け、両者をつなぐ架け橋となったこともあります。日本企業と台湾企業の相互の投資やビジネスにつながるような交流にも関わってきました。今回の表彰は、こうした日本と台湾の経済・金融分野における交流への取り組みを評価していただいたものと受け止めています。

仕事をする上で私が大切にしてきたのは、立場や文化、組織の違いを越えて、人と人との信頼関係を築くことです。さまざまな人と関わり、互いの考えを理解しながら、一つひとつ関係を築いていく。その積み重ねが、新しいビジネスや協力につながっていくと考えています。

もう一つ大切にしていることがあります。

それは、「挑戦すること」です。

挑戦すれば、当然失敗することもあります。しかし、失敗することで初めて分かることがあります。何もしなければ失敗はありませんが、そこから得られる経験もありません。だから私は、失敗を過度に恐れる必要はないと思っています。常に新しいことに挑戦し続けなければ、人も会社も成長することはできません。



最後に、従業員の皆さんに大切にしてほしいことが三つあります。

「常に挑戦すること」「人として信用を得ること」、そして「自分の仕事は責任をもってやること」です。

成長をするためには常に新しいことに挑戦することが大切です。そして、人として、仕事をする上で信用を得ることを何よりも大切にしてほしいと思います。お客さまから信用されなければ、ビジネスを続けていくことはできません。約束したことを守る。言ったことに責任を持つ。そうした一つひとつの積み重ねが信用につながります。

そして、自分の仕事には最後まで責任を持って取り組んでほしい。

3年先、5年先に、シャープが何で成長していくのか。それは経営者だけが考えることではありません。一人ひとりが自分の仕事の中で新しいことに挑戦し、未来を考えることが、会社の成長につながっていきます。

「挑戦」「信用」「責任」。
この三つを大切にしながら、皆さんと一緒にシャープの未来をつくっていきたいと思います。

略歴

1994年12月
統一超商(7-ELEVEN)董事
1995年6月
聯華電子股份有限公司(UMC)常務董事
1995年7月
鴻海精密工業股份有限公司 董事
1999年1月
UMC Japan株式会社 取締役
2000年6月
株式会社大和総研 理事
2005年4月
大和証券SMBC株式会社 執行役員・アジアオセアニア担当
兼 大和証券SMBC香港リミテッド 会長
兼 大和証券SMBCシンガポールリミテッド 会長
2007年6月
鴻海精密工業股份有限公司 監察人
2007年6月
国泰金融控股股份有限公司 独立董事
2008年12月
台湾証券交易所 董事
2013年7月
鴻海精密工業股份有限公司 董事
2019年6月
株式会社東京スター銀行 取締役会長
2021年8月
中華民国三三企業交流会 副理事長(現在に至る)
2022年7月
鴻海精密工業股份有限公司 独立董事
2025年6月
株式会社東京スター銀行 名誉会長
2026年6月
シャープ株式会社 取締役会長

趣味

先進技術について学ぶことです。IT分野を中心に、世界の経営者がどのようなことを考え、どの分野に投資しているのかを調べています。最近はAIを活用することで情報収集が効率化され、時間を有効に使えるようになりました。

また、体を動かすことも好きです。学生時代はバレーボールやサッカーなどさまざまなスポーツをしてきましたが、現在はゴルフを楽しんでいます。プレー中はカートに乗らずに歩くよう心掛けています。ゴルフは運動になるだけでなく、一緒にラウンドするとその人の人柄がよく分かるところも魅力だと思っています。

いつも意識していること

経営者として従業員が仕事をしやすく、上司にも相談しやすい環境をつくることです。

「仕事をしやすい環境をつくる」というと簡単に聞こえるかもしれません。しかし実際には、とても難しいことです。部下が気軽に相談できる上司であれば、問題が大きくなる前にさまざまな情報が入ってきます。一人ひとりが力を発揮できる環境をどう作るか。それを考えることも、リーダーの重要な仕事だと思っています。

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