当社が初めて電卓を世に送り出したのは、日本中が高度経済成長に沸いた1964年。今から56年前のことです。その4年前、当時カラーテレビの売上が急激に伸び、当社は大きく成長していました。そんな時、会社の次の事業を考えた入社4~5年の若い技術者たちが、「コンピュータや半導体を手がけたい」と経営陣に提案したのが電卓事業の始まりです。
技術者たちは業務終了後には会社の近くの店で語り合ったそうです
コンピュータについてまったく素人の彼らのために、新しく研究室が用意されました。そこで彼らは一から勉強を始め、ついに1964年、世界初のオールトランジスタダイオードによる電子式卓上計算機<CS-10A>が完成しました。
<CS-10A>(1964年発売)
その後、電卓事業は多くの企業が参入するとともに、ICの採用による小型化が進むなど、大きく発展していきます。初出荷から41年がたった2005年、当社の電卓事業は「電子式卓上計算機の先駆的事業」として、米国電気電子学会(IEEE)の選定する「IEEEマイルストーン」に認定されました。
ところで、海外向けには1966年に米国へ輸出したのが最初でした。当時はラジオが主力商品だったため事務機器の販路がなく、販売担当者は電話帳を片手に事務機器を扱う店に一軒一軒電話をかけていったということです。その後、海外でもその性能が認められ、多くのお客さまにご愛用いただくこととなりました。
今回は、40年以上にわたって当社の電卓を使い続けてくださった南アフリカのお客さまの話をご紹介します。
そのお客さまが使っていたのは1970年代後半に販売していた<CS-1164S>というプリンタ付きの電卓でした。プリンタ電卓は計算内容をすぐに印刷できるため、金額の計算などに活用される方が多く、確定申告が一般的な海外ではよく使われています。そのお客さまも、長年お仕事にお使いいただいたそうです。
ある時、電卓の部品をなくしてしまったお客さまは、ヨハネスブルグ中を探したそうです。最後に日本の当社に連絡をしてくださいましたが、残念ながらその部品をご用意することができませんでした。そこで、お客さまに最高の品質を届けることが私たちの役割であること、そして長年のご愛用に感謝し、UAEの販売会社・SMEF(Sharp Middle East Free Zone Establishment)の南アフリカ支店を通じ、最新のプリンタ電卓を贈呈させていただくことになったのです。お客さまは、当社の電卓への思いを語って下さいました。
お客さまのメッセージ(1:33)
私たちにとって、新しい製品をご購入いただくことはとても嬉しいことですが、大切に長くご愛用くださることも大きな喜びです。今回の電卓の話は、改めてそのことに思いが至りました。新しいプリンタ電卓も、きっと長くご愛用いただけることと思います。
(広報担当:Y)
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