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「シンプル・ノイズレスデザイン」の追求 - 映像への没入と空間との調和を両立するテレビ『AQUOS』

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テレビ『AQUOS』のデザインコンセプトは「シンプル・ノイズレスデザイン」

皆さんは、テレビを選ぶとき、どういう製品を選びますか?画質や音質などの性能、自動で最適な視聴環境を提供するAI機能、エンタメ機能など、人によって重視するポイントは異なります。大画面テレビが普及し、リビングでの存在感も高まる中、やはり無視できないのはテレビの外観デザインですよね。

当社のテレビ『AQUOS』は、性能や機能はもちろんですが、4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<HS1ライン>が『2025年度 グッドデザイン賞』を受賞するなど、デザイン面でも定評があり、特長の一つになっています。

< ⇒ 『2025年度 グッドデザイン賞』(<HS1ライン>)『グッドデザイン・ベスト100』を含む8件の『2025年度 グッドデザイン賞』を受賞(当社リリース)>

今回は、『AQUOS』のデザインコンセプトやその背景、外観特長などをデザイン担当に聞きました。

デザイン担当の五味
(『2025年度 グッドデザイン賞』を受賞した4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<HS1ライン>)

― テレビ『AQUOS』のデザインコンセプトとは?

『2025年度 グッドデザイン賞』を受賞した4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<HS1ライン>をはじめ、『AQUOS』は、テレビの本質である、映像への没入感を高める「シンプル・ノイズレスデザイン」を基本コンセプトとして商品化しています。

何と言ってもテレビの本質は視聴体験です。そこに最大限に貢献できるよう、映像の周りから没入を妨げる要素をなくし、映像を際立たせることを目指しています。また、大型テレビが普及し、部屋での存在感が大きくなってきていますので、テレビを見ない時には主張を抑え、部屋のインテリアに調和し、生活空間に溶け込むこと、この2つの考え方(映像への没入と空間との調和)をベースにデザインを開発しています。

 

― 没入を妨げる要素を取り除くというのはイメージできますが、空間と調和させるため具体的にどのようなことを心掛けているのですか?

以前のテレビは、カーブとか斜めのラインを取り入れた、オブジェのようなデザインが主流でしたが、先述の通り、大型化が進む中、そのままだと主張が強くなりすぎてしまいます。生活空間を構成する「水平」と「垂直」をテレビ本体のデザインに取り入れることで、機器っぽさが抜け、家具のように空間と調和するものになると考えています。

 

― 『AQUOS』の外観特長とは?

一番のポイントは、「FRONT OPEN SOUND SYSTEM(フロント オープン サウンド システム)」で、より具体的に言うと、スピーカーの出口部分のデザインです。

「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」

映像へ没入させるには、映像だけが見えていて、どこから出ているか分からないけど、すごく良い音がするのが理想的だと考えました。映像周りから不要な要素を取り除く、すなわち、なるべくスピーカーが存在感を主張しないようにしたいと考え、前から見えないよう下向きのスピーカーを設置し、音を前方へ導くリフレクター機構(特許取得済)の「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」を開発、多くの機種で採用しました。

リフレクターに従って音が下向きから前方へ

ここが、デザインコンセプトに一番寄与しているところであり、『AQUOS』の外観デザインの特長と言ってもいいですね。リフレクター形状を工夫することで、音抜けが良く聞き取りやすいサウンドを届けられるようになりました。

加えて、独自構造の「ハイトスピーカー」を多くの機種の背面上部に配置しました。上方向ではなく斜め前方(前傾20°)に音を放出するデザインとすることで、より映像と一体化した音響を実現し、聞き取りやすく臨場感のある高音質と、映像を際立たせる外観を両立させました。

独自構造の「ハイトスピーカー」

なお、「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」と「ハイトスピーカー」の両方を備えたものを「AROUND SPEAKER SYSTEM(アラウンド スピーカー システム)」と呼んでいます。

 

― ほかにはどんな外観特長がありますか?

使い勝手に配慮したデザイン構造として、視聴位置に合わせて画面角度を左右計約30°水平方向に調節できる「回転式スタンド」と、簡単に配線をまとめられる「ケーブルマネジメント機構」を多くの機種に採用しています。

「回転式スタンド」

「ケーブルマネジメント機構」はケーブル(配線)を溝に沿わせて支柱後ろ側へ誘導し、前からケーブルが見えずスッキリとした設置が可能で、映像への没入と空間との調和にもつながる機能です。

「ケーブルマネジメント機構」

今年発売のHシリーズでは、リサイクルプラスチック再生材を使用した「Bluetooth無線リモコン」を採用しました。Bluetooth対応により、電池の寿命が従来比約2倍1にアップ。無指向性なのでテレビにリモコンを向けなくても操作が可能です。

「Bluetooth無線リモコン」

これらの外観特長は『2025年度 グッドデザイン賞』で評価されたポイントでもあります。

※1  Bluetooth通信時、<GQ1ライン>(2024年発売)に同梱しているリモコンと同じ操作回数の比較において。

 

― よく見ると『AQUOS XLED』は、フレームがシルバーなんですね。

はい。よく気づきましたね。実はシルバーにすることで、シルバーメタルフレームが壁面と同化し、ディスプレイが空間に溶け込んだようになるんです。

バックライトを用いるmini LEDテレビ『AQUOS XLED』の厚みは、その構造上、有機ELテレビに比べると少し厚くなります。そのためフレームを黒くすると、どうしてもその存在感が出てきてしまいます。そこで『AQUOS XLED』にはシルバーのフレームを採用しました。『AQUOS XLED』<HP1ライン>だと、前から見たベゼルの枠は1mmで、側面と異なり有機ELテレビより逆に狭いです。そのため、『AQUOS XLED』にシルバーのフレームを採用すると、ノイズにならず、側面の存在感が消えるという良い効果だけが得られました。

『AQUOS XLED』にはシルバーメタルフレームを採用

一方、側面から見ると薄型の有機ELテレビは、前から見たベゼルの枠が少し広く、シルバーフレームにすると映像の邪魔をしてしまうので、シルバーフレームは採用していません。

 

― そんなところまで注意してデザインしているんですね。そういえば、先日ブログでも紹介した85V型でデザイン的に配慮したところはありますか?

85V型(4K mini LEDテレビ『AQUOS』<HV1ライン>4T-C85HV1)は、過去のブログで紹介しているように、4Kテレビで当社最大サイズということで、スタンド部分をより安定感のある2本足にし、ニーズに合わせて取り付け位置が選べる2WAY仕様にしていますが、それに加え、上述の通り、生活空間を構成する「水平」と「垂直」を取り入れ、垂直の薄板で構成されたノイズレスで映像を際立たせるデザインのスタンドに仕上げました。デザインコンセプトを実現するために、細かいところまで配慮しました。

 

― デザインの特長として最初にあげてもらった「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」の開発にはどのような苦労があったのですか?

下向きで正面からスピーカーが見えない構造は、追求するデザインコンセプトを満たすものですが、サウンドに影響しては意味がありません。
画面から何mm後方で、何mm下にスピーカーを設置するのが良いのか、リフレクターの形状や角度などはどうあるべきかなど、見え方と良い音が出てくる、ちょうど良いポイントを探るのにものすごく苦労しました。音作りをする技術者とともに、さまざまな試作品を作り何度も検証、吟味して、現在の形にたどり着きました。

もちろん、画面サイズごとに適正な位置や角度が違いますので、これも一つ一つ確認しました。

「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」以外の部分も、例えばパネル周りをできるだけ薄く見えて、ノイズにならないようにということで、なるべく反射しないような艶消し仕上げにするとか、細かい積み重ねをしています。

「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」について説明するデザイン担当の五味

 

― 最後に、今後の抱負や『AQUOS』に対する思いを教えてください。

テレビのデザインは画面占有率が大きくなった結果、他社との差別化が一層難しくなっていますが、新しいアイデアやアプローチによって新たな表現や価値を創出する余地は依然として残されていると思います。今後は、『AQUOS』の更なる外観デザインの追求はもちろんのこと、映像視聴にとどまらずどのような体験ができるのかを重要視し、CEATEC※2で展示していた「AI Partner」(開発中)のように、『AQUOS』から進化した製品・ソリューション分野で、UXデザインにも力を入れ、お客様に新しい価値を届けていきたいと考えています。

※2 JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が主催し、毎年10月に開かれる国内最大級を誇るデジタルイノベーションの総合展示会。https://www.ceatec.com/ja/

 

― ありがとうございました。


今回は、テレビ『AQUOS』のデザイン面でのコンセプトや特長をご紹介しましたが、シルバーフレームや垂直の薄板など、こんな細かいところまで考えて開発しているのかと、とても驚きました。

テレビの買い替えをご検討の方、リビングでぜひ没入体験をしてみませんか?映像への没入と空間との調和を両立した『AQUOS』を、ぜひご一考ください。

(広報H)

           

<関連サイト>

■製品情報:テレビAQUOSサイト
4K mini LEDテレビ『AQUOS』<HV1ライン>
4K mini LEDテレビ『AQUOS XLED』<HP1ライン>
4K有機ELテレビ『AQUOS QD-OLED』<HS1ライン>
■ニュースリリース:『グッドデザイン・ベスト100』を含む8件の『2025年度 グッドデザイン賞』を受賞
『2025年度 グッドデザイン賞』(<HS1ライン>)
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